セコイア国立公園
カリフォルニア州バイセリアから東へ向かうとセコイア国立公園がある。
セコイアと呼ばれる世界でも最大級の針葉樹が数多く生えているエリアだ。以前から行ってみたいと思っていたので立ち寄ることにした。
道中の VISTA POINT からの光景。
左側に見えるのが Moro Rock で標高 2050m。 右側に見えるのが Castle Rocks で標高は 2798m 。中央に小さく見える山は Mount Eisen で標高は 3707m もある。
遠近感で実際の標高とはちくはぐに見える。
ジェネラルズハイウェイを進む。沿道のいたるところに車よりも太い巨木が生えている。見たことのない光景に圧倒される。
Giant Forest Museum へ車を止め、ビッグツリーズトレイルを歩く。
まるで巨大な生物の足のようだ。セコイアの樹齢は2000年を超えるものもあると聞くがこの木はどれほどなのだろうか。
この木は大きな岩を飲み込もうとしている。広角レンズで撮影しなければ全体を撮ることができない。
トレイルをしばらく進み、湿原の方を見ると何かが動くのが見えた。50m ほど離れていて見えにくいが中央に見えるのがブラックベアだ。初めて野生の熊に遭遇した。夢中で何かを食べているようだった。一瞬「もっと近くで撮影したい」と思ったがさすがにそれはやめておいた。
山火事になっても外側が焦げただけでまだ生きている。こんな巨木がそこかしこに生えているのだ。
帰り道、別のトレイルを進むと沿道に小さな花が群生していた。35mm で撮影したがピント面のシャープさと前後のボケの自然な感じがいい。
観光客が足を止めていたので挨拶すると「あれを見て」と指をさす。その先の巨大なセコイアの根元に鹿が休んでいた。奈良や広島にいる鹿のサイズを思い出すとこの木の大きさが想像できると思う。
明るく見えるがもう午後6時をすぎている。この時期のカリフォルニアの日没は8時半ごろでとても遅い。
そろそろ寝る場所を探すことにした。
ゴールデントラウトを求めて - 中編
ゴールデントラウトを求めて - 前編 - 日々に疎し からの続き。
早朝、私はもう一つのフィッシュクリークへ向かうことにした。
もう一つのフィッシュクリークはリトルカーンリバーの支流にある。リトルカーンリバーにはゴールデントラウトの別の種類、リトルカーンゴールデントラウトが生息していてそれを狙うことにしたのだ。
道中の朝焼けの森林がとてもきれいだった。
オフロードを進みゴールデントラウトパックステーションの脇を抜けトレイルヘッドに到着した。
パックステーションのカウボーイと観光客だろう。早朝に砂煙をあげながらトレイルを進んでいった。
トレイルから1kmほど谷を下りメドウのような場所に到着し釣りを始める。ライズがあったので狙うことにした。
何投目かで反応してくれた。リトルカーンゴールデントラウトだ。この川はあまり人が入っていいないのか狙ったポイントでは必ず出る、いわゆる「入れ食い」という状況だ。
お腹の色はとても綺麗なオレンジ色だった。日本のイワナのような感じだ。
画面の中央でライズするゴールデントラウトが見える。
川辺につくしが生えていてここは本当にアメリカの山奥なのか、という不思議な感覚になった。
丸々と太ったリトルカーンゴールデントラウト。この日最大の 23cm でこの大きさのわりに引きが強い。この魚がネイティブかはわからないが、ゴールデントラウトのネイティブは最大でも 25cm 程度であまり大きくはならない。
いい魚が釣れたので満足して上がる事にした。
山道を抜けスプリングビルへ向かう。
後編に続く。
ゴールデントラウトを求めて - 前編
90年代の半ばごろ。中学生だった私は釣りを始め、餌釣りやルアーなどで遊んでいた。そんなある日、友人の一人がフライフィッシングというものを始め道具を見せてくれたのだがこれが不思議で糸の重さを利用し鞭のように糸を操りその先についた毛針を使って魚を釣る、というものだった。私も始めてみたのだが扱いが難しくこれで本当に釣れるのだろうか、と思えるほどだった。
それからしばらくして1995年のある日。フライフィッシングを始めた私は書店で一冊の雑誌を購入した。
FLY FISHER という雑誌で今でも書店に行けばスポーツのコーナーなどで見つけることができる。そのなかにこんな記事が書かれていた。
シエラネバダ山脈ゴールデントラウトトレッキング釣行
なんでもカリフォルニア州の山奥、カーンリバーの上流部にゴールデントラウトという美しい魚が、トレッキングをしないと釣れないような場所にいるとのことだ。またゴールデントラウトの純血種はもうほとんど残っておらず、後から移入されたレインボートラウトとの雑種がほとんどらしい。
その記事を見た私は、この魚をいつか釣ってこの目で見てみたいと思った。
それから月日が流れそんなことも忘れていたのだが、何年か前に実家に帰省した際、本棚にあったその雑誌を見つけ懐かしいななどと思いながらその記事を再読したらその思いが再燃してしまった。それで「今行かないと一生行かない」という思いが強くなり気がつけば旅の準備を始めていた。
ロサンゼルス国際空港から高速バスでベーカーズフィールドへ向かいそこでレンタカーを借りカーンビルへ向かう。当初フォードのフォーカスを借りる予定だったがバジェットへ行くとこれを使ってくれとジープを渡された。オフロードへ行くので嬉しい誤算だ。
グレンビル経由でカーンビルへ向かう。道路の両側を牧草地が続く。
カーンビルにはフライショップがありそこで現地の情報を教えてもらうと「今は増水しているので本流での釣りは難しい。支流のフィッシュクリークあたりがいいと思うよ」と数日前に撮影したという動画を見せてもらった。そこにはあの「ゴールデントラウト」が映っていた。それと「この先ガソリンスタンドがない」と言うので近場のガソリンスタンドで補給してからその川へ向かうことにした。
ちなみにカリフォルニアでの釣りにはライセンスが必要で私はネットで10日間利用できる非住居者用のものを購入していった。ライセンスはこちらから購入できる。
Sport Fishing Licenses and Report Cards
データが送られてきてプリントアウトして携帯してくれとの事だ。
また事前に購入していかなくても Big5 などのスポーツショップでも購入することができる。当日分のみ欲しいという場合はこちらでもいいかもしれない。
カーンビルから1時間半ほどでフィッシュクリークに到着した。この川は日本でいうと奥日光の湯川に似ているように思う。すぐに良さそうなポイントを見つけたので竿を出してみることにした。
川は茶褐色だ。タンニンと鉄分が多いのだろうか。良さそうなポイントなので探ってみることにした。
なんと一投目でゴールデントラウトが釣れてしまった。おそらくレインボートラウトとのハイブリッドだろう。パーマークがヤマメのようだ。
一投目で釣れたのでそのまま釣りあがることにした。きれいな流れが続く。
ふと足元を見るとクマの足跡があった。かなり大きい。
ぞっとして周りを見回したが姿は見えない。おそらく2,3日前のものだろう。
良さそうなポイントが続くがその後の反応は全くなくなってしまったので1マイルほど釣りあがったところでこの川から上がることにした。
いたるところにソフトボール大の松かさが落ちている。
川へのアクセスはしやすかったのだがその分多くの人が訪れていて釣りはポイントを知っていないと難しいのかもしれない。
今日はここで上がり車中泊に使える駐車場をさがすことにした。
カーンリバー本流のリバートレイルの駐車場で一晩をすごす。
まもなく山の稜線に沈む月がきれいだった。
中編へ続く。
城崎温泉から京都美山へ
兵庫県豊岡市にある城崎温泉へ行ってきた。数年前に某号泣議員のカラ出張で話題になっていたので知っている人も多いのではないだろうか。
関西ではわりと有名なようで私も件の話以前に「いい場所だから一度は行ってみて」とおすすめされていたので立ち寄ることにした。
路地が好きで通りの脇に目をやると階段を見つけた。「これは登らないとな」などと思い足を進める。
こうして見ると山間にある閑静な温泉街ということがわかる。静かにゆっくりしたいという人にはうってつけだ。対面する山にはロープウェーが見える。
山を降りて温泉街の裏路地を歩く。どうしてもメインよりこっちの方を歩きたくなってしまうのだが、理由はその土地の「生活」が見えるような気がするからだ。画一的な景色よりもその土地の持つものに惹かれる。
大谿川沿いの道を歩く。
ふと目をやると石碑がある。その昔、桂小五郎が新撰組に追われていた時にこの宿に泊まっていたとの事だ。建物自体はそこまで古くないように見えるので建て直されたのだろう。
温泉寺という寺を見つけたので立ち寄ることにした。調べてみると1300年ほどの歴史がある寺とのことだ。
参道の脇に目をやると外国人観光客の姿が。そういえばここへ来てからあまり外国人を見かけていない。平日というのも関係あるのだろうか。
温泉にも浸かり旅の疲れを癒したところで京都へ向けて移動することにした。
久美浜を抜け京丹後から美山町へ。岐阜県の白川郷のような景観が見られる。レトロなポストがよく似合う。
これらの家屋は今でも普通に人が住んでいる。メンテナンスが大変そうだ。住みごごちはどうなんだろうか。
私は囲炉裏のある家にある種の「あこがれ」のようなものがあって機会があればぜひ泊まりたい。
桜はもう終わってしまっていたがレンゲがとても綺麗でこの時期もなかなかいい。他の季節に訪れても楽しめそうだ。
この写真のみ MACRO 70mm F2.8 EX DG を使用。
ISO 100, f8, 1/400 で手持ちで撮影。
山陰を抜け京都の山奥まで戻れた。このあと京都市内に宿泊して都内へ戻ることに。美山をこの旅の締めとした。
次はどこへ行こうか。
出雲から山陰を巡る
休日を利用し出雲の国へ。
山陰地方を訪れたことがなく、一度は行ってみたいと思っていた出雲大社へ。出雲の神様は「縁結びの神様」で我々がよく聞いたことがある「だいこくさま」との事だ。
出雲大社の解説によると単に「男女の縁結び」というだけでなく「互いの発展のためのつながりが結ばれる」ということらしい。
神社での参拝の方法といえば「二礼二拍手一礼」が一般的だがここ出雲大社では「二礼四拍手一礼」だそうだ。いい出会いがあるようにと願い散策を続ける。
本殿の脇から屋根を撮る。逆光で難しいが何とか撮ることができた。
訪れたのが休日の昼ごろだったためか人が多く、ブログに載せられるようなカットがほとんど撮れずに残念だ。
酒樽が置かれていた。行事の時にでも振舞われるのだろうか。
ISO 100, f4.5, 1/800 で撮影した。f4.5 でこの解像である。
何枚か写真を撮ったがどこに行っても人が映り込んでしまう状態だったのと、昼時でおなかがすいてきたので移動することにした。
出雲といえば「出雲そば」が有名だ。写真のように重なっていて上から順に食べていく。いわゆる「ぶっかけ」でこの器に直接つゆをかけていただき、残ったつゆを次の段に入れて食べる。
東京のそばとは全然違う。福井には「越前おろしそば」があるがそのつゆを少しこくしたような感じが近いかもしれない。
5段はそれぞれ薬味が違う。
ISO 200, f1.6, 1/80 で撮影。ピントが薄い。
お腹もいっぱいになったので少し休んで移動することにした。
旅行の前に「島根に行く」と人に伝えたら「足立美術館の庭園がいいらしいよ」という情報をいただいていたので向かうことにした。
美術館というと都市部にあるようなイメージだったのだがこの美術館は山間の田園地帯の中にあり意外だった。
中に入り 広告にもなっているカットを撮ってみた。窓枠が額になっていて絵を見ているような感覚だ。季節で楽しめそうだなと思った。秋や冬に訪ねてもいいかもしれない。
ISO 100, f8, 1/125 で撮影。
少しだけ庭に出られる場所から撮影。よく見ると右奥に滝が見えるが借景である。
後方に見える山は道を隔てた先にある。よくこんな景観をつくったなと思う。
別の窓からの景観。なんとも言えない。やはり紅葉や雪の時にも見てみたい。
夕方になり宿を確保しなければならなくなったので移動することにした。
ちょうど日没の時間、それを見に人が訪れていた。
早くしないと日が沈んでしまうので急いで砂の山を登る。足がとられてなかなか進めない。
夕日を見つめる親子がいた。いい雰囲気なので撮ったら太陽が不思議な感じになってしまった。それにしても海風が強く寒い。右側の父親がそりを風よけにしていて「いいなそれ」などと思ってしまった。
水平線に漁船の明かりが見え始めた。等間隔に並んでいるように見えて不思議だった。
日が沈み帰る人、これから向かう人。砂丘の稜線と空とのコントラストが美しい。
いい写真が撮れたのでこの時間にしてよかった。さて宿を探さねば。