日々に疎し

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キリクチという魚 - 前編

三重、和歌山、奈良県を流れる熊野川の源流、紀伊半島の中央部の山奥にキリクチと呼ばれる魚がいるという。南アルプスに生息するヤマトイワナの一地方系群で本来の日本におけるイワナの南限だ。(現在では放流によって九州でもイワナが生息している)

2003年の調査では個体数は300匹程度まで減少しているとのことでまさに幻の魚と言っていいだろう。

今回はそのキリクチに出会うために奈良県の山奥、天川村を流れる川追川の上流部の神童子谷を訪ねてみた。

 

水量もあり渓相もなかなかいい。平日だったためか釣り人も多くは入っていない様子だ。

 

竿を出すと早速アマゴが反応してくれた。このアマゴは朱点が少なくあっても小さく目立たないのでヤマメのようにも見える。

 

水はとても透明度が高く見ているとしばらくそこを覗き込んでしまう。後日ネットで調べると大峰ブルーと言われていることがわかった。

 

アマゴが何匹か釣れたのだがキリクチの気配が全く感じられなかったため川を上がり上流部を目指すことにした。

 

いたるところで崩落があり、道が崩れている場所もあった。

雨になると道が川のようになり浸食が進むのだろう。元々地盤が軟弱なのか、それとも大雨が多いからだろうか。紀伊半島は水害が多い印象があるがそのせいだろうか、などと考えながら上流へと進む。

 

谷へ降りられる場所を見つけ竿を出すとすぐに反応があった。

朱点がある。キリクチだろうか。頭も比較的丸いように見える。ただ脊部に白点も見えるため、違うかもしれない。昔北海道で釣ったオショロコマに似ているようにも思えた。DNA 検査でもしない限りは判定はできないだろう。

 

これもキリクチだろうか。こちらは朱点が濃くヤマトイワナのようだ。全体的にオレンジ色が強く出ている。背部の白点も比較的小さく見える。

 

この個体はニッコウイワナの血が混ざっているように見える。背部の白斑が大きくくっきりしている。

 

3匹だけだったが綺麗な個体を釣り上げることができた。時間も遅くなりそろそろ車中泊できる場所を探すために上がることにした。

 

途中にある支流には禁漁の看板が立てられていた。これで密猟者がいなくなればいいのだが。

 

この分岐から車を上流部に進めた。路面の状況からこの辺りまでは人が多く入っているように思えた。

 

中流部の渓相もなかなかいい。ただ少し流れが強そうに思えたので釣りをするには難しいかもしれない。

 

配管の上にとまる鵟を見つけた。SIGMA 100-400 のズームレンズで撮影。なかなかかわいい顔をしている。

初日でなんとかイワナを釣ることができたので一安心だが、キリクチと一目でわかるような個体には出会うことができなかった。

明日向かう川に期待しつつ泊まる場所を探すことにした。

後編に続く。

キリクチという魚 - 後編 - 日々に疎し

 

参考

世界最南限のイワナ個体群“キリクチ“の保全生態学的研究--PRO NATURA FUND