千葉の山奥をぶらぶら
そうだ千葉に行こう。
どこかで聞いたことのあるようなフレーズが頭に浮かび連休を利用して訪ねることにした。
もともとは東北へ行こうか、それとも東海あたりをまわってみようか、などと考えていたのだが調べてみると東北は紅葉が終わってしまっているし、東海地方はこれからというタイミングで千葉がちょうど紅葉の時期だとのことだった。それに考えてみると千葉で行ったことのある場所といったら船橋や頭に「東京」と名のつくテーマパークあたりまでで、それよりも南、南房総へは行ったことがなかったのだ。これはいい機会だと思い足を伸ばすことにした。
アクアラインを利用すると南房総のあたりまで2時間ほどでたどり着くことができた。
紅葉の名所だという養老渓谷を散策する。
養老渓谷へ向かう途中2重に穴が空けられたトンネルがある。元々は上の出口は使われていたのだが下に出口を通したためこのような形で残っているとのことだ。トンネルを抜けて渓谷沿いの遊歩道に降りる。
遊歩道に降りると多くの観光客の姿があった。
遊歩道は先日の雨の影響でぬかるんだ場所が多かった。雨が降った後に訪れる場合には泥で汚れてもいい靴で行くことをおすすめする。
歩道の脇には小さな滝があり、歩道を横切って渓谷へと流れている。
渓流にせり出した紅葉を見ることができた。赤、橙、黄色、黄緑、緑とグラデーションが綺麗だ。今年は気温が高く紅葉が遅れているとのことだが、これはこれで美しい。
こちらはまだ赤くならずに全体が黄色くなっている。
赤と緑が混ざっている。同じ場所にあるのに陽の当たり方が違うのだろうか。
遊歩道を進むと栗又の滝にたどり着いた。多くの観光客が記念撮影をしている。
陽の差し込み方が真上からではなかったので紅葉の箇所だけに日が当たっていて明暗差が大きく撮影するのが難しい。
ここで国道に抜ける階段があったのでそのまま上がることにした。
彼岸の帰省
ここ数年この時期になると実家に帰省している。禁漁前に友人と釣りにいくのと盆に帰省しないのでそのかわりに、というのとで都合がいいのだ。
前日の釣果がよかったのでこの日は竿を置いて近所を散歩してみることにした。
実家の犬。なんだ遊んでくれないのか、と諦めた表情をしている。うちに来たばかりのころは真っ黒だったのだが茶色い毛が増えた。甲斐犬は狩猟犬だがこの子は臆病なので狩では全く役にたたなそうである。
彼岸花が満開だ。ハイキー気味に撮影してみた。
こちらはローキーで。全く印象が違う。
不思議な彼岸花を見つけた。背景を暗くして花を浮かび上がらせてみる。
花弁の中央が淡いピンクでその縁が白い。あまり数が生えていなかったのだが群生していてもきれいだと思う。
金木犀が満開だった。この時期になり、どこからともなくあの香りがすると思わず「金木犀はどこだろうか」と辺りを探してしまう。
稲穂が首をたらしていた。もうすぐ収穫だろう。
新米で栗ご飯にでもしたら美味しいだろうな、などと考えながら地元を後にした。
禁漁前の釣行
いつも渓流釣りに行くメンバーに「禁漁の前に釣りに行こう」と声をかけるとすぐに「OK」と返事が返ってきた。
日本の北海道以外の河川の多くは 3/1 から 9/30 まで、イワナやアマゴなどの渓流魚が解禁となり釣りができるのだが、その期間外は禁漁となる。その期間の最後に渓流釣りの締めとして釣りに行きたくなったのだ。場所は山梨県の富士川水系へ行く事になった。
現地に到着すると台風一過で秋晴れの空が美しかった。空気も変わったように感じる。もうすぐ秋だ。
目的の渓流に到着した。
前日の雨の影響で多少増水しているように思える。川底の石の色が違うので左側は普段は水が流れていないのだろう。水も澄んでいるのでこの程度の増水であれば問題はなさそうだ。
早速友人が釣り始める。魚の反応はどうだろうか。
釣り始めてすぐに 22cm ほどのアマゴを釣り上げた。アマゴはヤマメと違い朱点が体側に散りばめられている。ヤマメはサクラマスの陸封型、アマゴはサツキマスの陸封型だ。アマゴの分布域は伊豆半島より西の太平洋側、四国、九州の一部までとなっている。
河原を上流へ進むと台風の時にでも押し流されたのだろう。大きな流木が横たわっていた。前日の雨が大雨にならずによかったと思う。
友人が釣り上げたポイントの少し上流で釣らせてもらうとすぐに反応があった。
「デカい!」
普段とは違う反応に興奮して友人に声をかける。去年もこの河川で大きなイワナを釣り上げていたので友人が「イワナかな?」と返事があるがどうも違う。引き寄せてネットに収まったのは指4本、手のひらほどの体高のあるアマゴだった。
体長はちょうど30cm。こんなアマゴをフラフィッシングで釣り上げたのは初めてだ。
これで友人二人に火がついたようでどんどんと釣り上がっていく。
釣り上がる途中に何度か見かけた蛙。名前が分からないのでネットで調べてみるとアズマヒキガエルという種類のようだ。近づいても全く逃げようとはしなかった。
友人が何度か釣り上げるのだがあまりサイズが上がらず苦笑いしている。
もうすぐ夜になる。最後にもう少しねばってみたのだが魚の反応はあまり良くはならなかったので上がる事にした。
前日の雨の影響か反応が渋かったのだが、あの1匹が釣れた事で2017年の釣り納めは楽しめた。また来年、さらに大きくなった魚が釣れる事を願って。
代々木上原散策
カメラ用品の整理をしているとふと昔使っていたカメラが目に止まった。 SIGMA の DP1 というコンデジで2008年に発売されたものだ。当時としては珍しくコンデジで大型のセンサーを積んでおりその描画性能が話題となった。これ以降、カメラメーカー各社が競ってコンデジ + 大型のセンサーという組み合わせを発売するきっかけを作った転換点となるカメラだ。今年の頭にメンテナンスに出していたのでおそらく使えるはずだと思った私は久しぶりに持ち出すことにしたのだった。
小田急線の急行で新宿まで一駅、また東京メトロ千代田線の始発駅でもある代々木上原駅の周辺を散策することにした。
駅を出て井の頭通り沿いを西へしばらく歩くと東京ジャーミイというトルコのモスクがある。日本で最大級のモスクとのことだ。ここは一般の見学も可能なので何度か訪れたことがあったので久しぶりに立ち寄ることにした。
装飾の模様と色合いが美しい。画素数が少ないわりに複雑な模様をシャープに切り取っている。 DP1 は低照度での撮影が極めて苦手で日が当たっていない場所を鮮やかに撮るということがとても難しい。 ISO もまともに使えるのは 200 までだと感じている。
モスクを出て小田急線の高架下を抜ける。高架下にはいくつか鳥の絵が描かれていた。
ちょうど解体作業中の住宅を見つけたので撮影。ここにはどんな人が住んでいたのだろうか。建て替えか、はたまた引っ越しか、などど考えてみる。それまであったものの状態が変化するとき、何か哀愁のようなものを感じてしまうことがある。
旧玉川上水の緑道に入ると神輿が置かれていた。このあと祭りがあるのだろう。その熱気を感じてみたかった。
緑道沿いに植えられていたひまわりは大きく首をたらしていた。もう夏も終わりだ。 DP1 は 28mm/F4 のカメラだがこういう構図で撮るとそれなりにボケてくれる。木漏れ日のボケもそこまでうるさく感じない。
緑道をそのまま進むとマンホールの蓋があった。暗渠となった旧玉川上水がこの下を流れているのだろう。
DP1 は明暗をとらえるのがうまいカメラだと思う。西日が作り出した影を広角レンズでとらえる。
視線を感じて上を見上げるとじっとこちらを見つめる姿があった。フレンチブルドッグだろうか。この店の看板犬か、はたまた客が連れてきたのだろうか。
この写真は正直驚いた。西日の当たりかた、手前の男性が早く歩いているのと電車が動いているのとでピント面が中央の男性のあたりだけになっているように見える。
こういう写真を意図して撮れるようになりたいと思うがなかなか難しい。
神社に立ち寄ると数人がお参りに訪れていた。皆何かを願っているのだろう。
ふと空を見上げると月が上っていた。青のグラデーションのワンポイントに月を入れて撮影。久しぶりの DP1 を持っての散歩はこれで終わることにした。
さて今日の夕飯は何にしようか。
ゴールデントラウトを求めて - 後編
初日の釣行でカーンリバーゴールデントラウトが一匹しか釣れなかったためカーンリバーの東、ブラックロックトレイルへッドへやってきた。
ここに車を止めてポイントまで徒歩で向かうことにした。
トレイルヘッドからカーサヴィージャメドウへ向かう。
しばらく歩くとゴールデントラウトウィルダネスの看板が現れた。
1995 年に FLY FISHER 誌で見たあの看板だ。
トレイルが雪解け水で小川になっているような箇所がいくつもある。
日中は暖かく20℃以上になるのだが夜には5℃まで気温が下がる。車中泊とはいえ寝袋が必要だ。
ちなみにカリフォルニア州では wilderness permit が設定されており国立公園内の荒野でのキャンプについてはライセンスが必要だ。キャンプをしたいという場合にはこちらのサイトをよく読んでから行くといいだろう。
Inyo National Forest - Recreation Passes & Permits
山小屋があるが屋根の一部が抜けてしまっている。
もう使われていないのだろうか。
2km ほど歩きカーサヴィージャメドウに到着した。柵が見えるので季節によっては放牧されている場所なのだろう。その中を流れるナインマイルクリークで釣りを始めることにした。
川の色はやはり茶色い。この色がゴールデントラウトの色素に影響していると思えてならない。そしてこんな小川のような場所でゴールデントラウトが入れ食い状態なのだ。
いいサイズのゴールデントラウトが反応してくれた。この個体は色が薄い。おそらくハイブリッドだと思うが黒点が少ないのでこのエリアにもともと住んでいた種類の遺伝子が強く出ているのだろう。
この個体は背びれよりも頭側に黒点が全くなくカーンリバーゴールデントラウトの特徴がとても濃く出ている。日本のヤマメに似ていてとてもきれいだ。
この個体もハイブリッドかもしれないが目的の魚体が見れたのでここで上がることにした。
帰りの途中 VISTA POINT からホイットニー山を見ることができた。まだ雪が残っている。
次回ここに来る時は wilderness permit を取得してキャンプしつつ釣りをしたい。そんなことを考えつつカーンリバーを後にした。