日々に疎し

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ゴールデントラウトを求めて - 前編

90年代の半ばごろ。中学生だった私は釣りを始め、餌釣りやルアーなどで遊んでいた。そんなある日、友人の一人がフライフィッシングというものを始め道具を見せてくれたのだがこれが不思議で糸の重さを利用し鞭のように糸を操りその先についた毛針を使って魚を釣る、というものだった。私も始めてみたのだが扱いが難しくこれで本当に釣れるのだろうか、と思えるほどだった。

それからしばらくして1995年のある日。フライフィッシングを始めた私は書店で一冊の雑誌を購入した。

FLY FISHER という雑誌で今でも書店に行けばスポーツのコーナーなどで見つけることができる。そのなかにこんな記事が書かれていた。

 

シエラネバダ山脈ゴールデントラウトトレッキング釣行

なんでもカリフォルニア州の山奥、カーンリバーの上流部にゴールデントラウトという美しい魚が、トレッキングをしないと釣れないような場所にいるとのことだ。またゴールデントラウトの純血種はもうほとんど残っておらず、後から移入されたレインボートラウトとの雑種がほとんどらしい。

その記事を見た私は、この魚をいつか釣ってこの目で見てみたいと思った。

それから月日が流れそんなことも忘れていたのだが、何年か前に実家に帰省した際、本棚にあったその雑誌を見つけ懐かしいななどと思いながらその記事を再読したらその思いが再燃してしまった。それで「今行かないと一生行かない」という思いが強くなり気がつけば旅の準備を始めていた。

 

ロサンゼルス国際空港から高速バスでベーカーズフィールドへ向かいそこでレンタカーを借りカーンビルへ向かう。当初フォードのフォーカスを借りる予定だったがバジェットへ行くとこれを使ってくれとジープを渡された。オフロードへ行くので嬉しい誤算だ。

 

グレンビル経由でカーンビルへ向かう。道路の両側を牧草地が続く。

カーンビルにはフライショップがありそこで現地の情報を教えてもらうと「今は増水しているので本流での釣りは難しい。支流のフィッシュクリークあたりがいいと思うよ」と数日前に撮影したという動画を見せてもらった。そこにはあの「ゴールデントラウト」が映っていた。それと「この先ガソリンスタンドがない」と言うので近場のガソリンスタンドで補給してからその川へ向かうことにした。

ちなみにカリフォルニアでの釣りにはライセンスが必要で私はネットで10日間利用できる非住居者用のものを購入していった。ライセンスはこちらから購入できる。

Sport Fishing Licenses and Report Cards

データが送られてきてプリントアウトして携帯してくれとの事だ。

また事前に購入していかなくても Big5 などのスポーツショップでも購入することができる。当日分のみ欲しいという場合はこちらでもいいかもしれない。

 

カーンビルから1時間半ほどでフィッシュクリークに到着した。この川は日本でいうと奥日光の湯川に似ているように思う。すぐに良さそうなポイントを見つけたので竿を出してみることにした。

 

川は茶褐色だ。タンニンと鉄分が多いのだろうか。良さそうなポイントなので探ってみることにした。

 

なんと一投目でゴールデントラウトが釣れてしまった。おそらくレインボートラウトとのハイブリッドだろう。パーマークがヤマメのようだ。 

 

一投目で釣れたのでそのまま釣りあがることにした。きれいな流れが続く。

 

ふと足元を見るとクマの足跡があった。かなり大きい。

ぞっとして周りを見回したが姿は見えない。おそらく2,3日前のものだろう。

 

良さそうなポイントが続くがその後の反応は全くなくなってしまったので1マイルほど釣りあがったところでこの川から上がることにした。

 

 いたるところにソフトボール大の松かさが落ちている。

 

川へのアクセスはしやすかったのだがその分多くの人が訪れていて釣りはポイントを知っていないと難しいのかもしれない。

今日はここで上がり車中泊に使える駐車場をさがすことにした。

 

カーンリバー本流のリバートレイルの駐車場で一晩をすごす。

まもなく山の稜線に沈む月がきれいだった。

中編へ続く。

ゴールデントラウトを求めて - 中編 - 日々に疎し